[ニューヨーカー 4日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は4日、米国の銀行危機はまだ終了しておらず、影響は何年にもわたり継続するとの見方を示した。

ダイモンCEOは株主に宛てた年次メッセージで「危機はまだ終わっていない。危機が終わった後も影響は何年も続く」と指摘。「市場が見込む景気後退の確率は高まっている。2008年の(金融危機の)ようなものではないが、現在の危機がいつ終わるかは分からない。この危機で市場に多くの動揺が引き起こされ、銀行やその他の貸し手が一段と保守的になるにつれて、金融条件が引き締まるのは明らかだ」と述べた。

ただ、今回の混乱で米経済を牽引する個人消費が減速するかは不明としたほか、08年の世界的な金融危機との類似性も否定。08年の危機では銀行大手、住宅ローン業者、保険会社などが直撃を受けたが「今回の銀行危機では関連する金融機関の数も、解決しなければならない問題の数もはるかに少ない」とした。

今回の混乱に対応するために導入される可能性のある新たな規制については、破綻行の対応を巡る一段と明確なルールを含む「思慮深い」ものでなければならないと指摘。「ストレステストに基づく資本要件や将来の規制に関する絶え間ない不確実性で、銀行システムはより安全なものにはならず、むしろ損害を被る」とした。

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