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[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融監督担当)は28日、上院銀行委員会の公聴会で証言し、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の金利リスクに関連する問題を初めて認識したのは、同行が破綻するわずか数週間前の2月中旬だったと明らかにした。

バー氏によると、FRBスタッフが2月中旬、幹部らに対し行ったプレゼンテーションの中で、金利上昇関連リスクを巡りSVBを注視していることを示唆した。同氏がSVBの金利リスクについて説明を受けたのは、これが初めてだったという。

FRBスタッフは以前からSVBの金利リスクと流動性管理に深刻な懸念を示しており、2021年11月に同行に改善を要求。22年半ばには、FRBスタッフは同行の経営に欠陥があると認識し、合併や買収を通じて業容を拡大することを禁じた。22年10月にはSVBの最高財務責任者にこれらの問題点を伝え、11月にはSVBの経営陣にもさらなる注意を喚起していたという。

しかしバー氏は、2月にスタッフによるプレゼンテーションが行われるまで、この問題が自分の目に留まることはなかったと述べた。

この日の公聴会では、民主・共和両党の議員からFRBの監督責任を追及する厳しい声が浴びせられた。

スティーブ・デインズ議員(共和党)は「SVBやシグネチャー銀行の破綻、そして銀行セクターの混乱は、今日の公聴会への出席者を含む、規制当局の失敗が直接的にもたらしたものだ」と批判した。

民主党のジョン・テスター議員も「規制当局は問題を認識していながら、誰も裁きを下さなかったように見える」と述べた。

バー氏は、SVBの金利リスクモデルは「現実と全く整合しておらず」、最高リスク責任者の不在は「ひどい」リスク管理体制だったことを示していると証言。FRB監督当局は同行の経営陣に対し問題を指摘していたが、対処されなかったとした。また、内部審査に加え外部の独立した審査を行うことが適切と確信しており、歓迎すると語った。

議員らは破綻行の経営管理が誤っていたことには同意したが、規制当局が対処していたにも関わらず、なぜこれほど早く破綻したのかという疑問も呈した。

また、FRBが大手行を対象に毎年実施している「ストレステスト」でSVBのリスクが特定できたかについても質問がなされた。FRBが積極利上げを行っているにも関わらず、このところのテストでは、銀行が金利急上昇をいかに乗り切るかについては検証されていない。

ジョン・ケネディ議員(共和党)は、「新型コロナウイルスの検査を受けに行った人が、コレラの検査を受けるようなものだ」と批判した。

バー氏はより高い金利のケースについてテストすることは「有益」であると同意し、将来的には検査の幅の拡大を検討していると述べた。

同委員会の共和党トップであるティム・スコット議員は「警告サインは赤く点滅していたはずだ。規制当局としての任務が果たせないのであれば、議会に対し平然とさらなる権限拡大を要求できるわけがない」と述べ、規制当局の権限拡大に疑問を呈した。

当局は、2行破綻を受けて規則や手続きを見直すとしながらも、全体的な金融システムは健全だとしている。

委員会の冒頭発言で、FRBと連邦預金保険公社(FDIC)からの出席者は、国民の預金は安全に確保されていると強調。その上で、破綻に至った原因や、今後の破綻防止に向け規制を変更する必要があるのかを検討しているとした。

また、バー氏とFDICのマーティン・グルーエンバーグ総裁は、SVBと同種の企業に対してより厳しい規則の適用を検討していることを明らかにした。