[ロンドン 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)高官は28日、世界的な銀行部門の混乱を受けて警戒を維持しているが、シリコンバレー銀行やクレディ・スイスの問題に起因するストレスは英国では見られないと述べた。

ベイリー総裁は議会財務委員会で「(こうした問題で)英国の銀行システムにストレスが生じているとは考えていない」とし「率直に言えば、緊張と警戒が非常に高まっている局面にある」と発言。

ラムスデン副総裁は「このため、われわれは強い警戒を維持する必要がある。銀行の資金調達コストや家計や企業への影響を注視する。また他のリスク要因も注視する」と述べた。

ベイリー総裁は、信用状況の引き締まりを示す一定の形跡があるが、現時点では重大なものではないと発言。経済への信用供与が脅かされた場合は、まずカウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)を引き下げると発言した。

総裁は、一部の銀行株の値動きが最近荒くなっていることについて、投資家が銀行部門を試していると指摘。シリコンバレー銀行については、1995年の英投資銀行ベアリングスの破綻以降、最速で健全な状態から破綻に至ったとの見方を示した。