[24日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが堅調に推移する中、ユーロとポンドが急落した。銀行を巡る懸念が重しとなった。

銀行セクターを巡る最近の混乱がまだ収まっていないとの懸念からドイツ銀行やUBSなど欧州の銀行株が大幅安となった。

ドル指数は0.536%高の103.140。ユーロ/ドルは0.71%安の1.0753ドル。

FXストリートのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサニ氏は「数年前から根が深そうな問題などが認識されるときはいつも資金がドルに向かっており、今もおそらくその状態だ」と述べた。

リスク回避の動きでポンドは0.53%安の1.222ドル。

OCBCの為替ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は安全資産である日本円や金がアウトパフォームする一方、他の大半の通貨は軟調に推移し、外為市場ではリスク回避の動きが見られたという。

それでも日本円は1ドル=130.73円と0.08%高にとどまった。

アムンディUSの債券・通貨戦略ディレクター、パレッシュ・ウパディヤヤ氏は「このような状況下でより不可解なのは、円高がほんの少しで、ほとんど変化していないことだ」と述べた。

来週31日には個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。トレビサニ氏は同指数が「予想通りまたは弱い数値となった場合、FRBは利上げを見送ることになる」とした。

暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.16%安の2万7732ドルとなった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米債利回りが一時6カ月ぶり低水準を付けた。銀行セクターのさらなるストレスに対する懸念から、安全資産としての債券の需要が高まった。

投資家は、規制当局や中銀が2008年の世界金融危機以来となる金融問題をまだ抑えきれていないと受け止め、欧州市場ではドイツ銀行とUBSグループの株式が大きく売られる事態となった。

指標となる10年債利回りは一時、昨年9月12日以来の低水準となる3.285%まで低下。終盤は3.378%となった。

2年債利回りも一時、9月13日以来の低水準となる3.555%を付けた。終盤は3.777%だった。

2・10年債の利回り格差は一時27bpまで縮小したが、再びマイナス40bpに拡大した。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBが5月に25bpの追加利上げを行う確率を24%、金利を据え置く確率を76%織り込んでいる。また、12月までに3.94%への利下げを見込んでいる。

米連邦準備理事会(FRB)高官はこの日、22日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の際、金融ストレスが悪化している兆候はなかったと述べた。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、規制当局の「強力かつ迅速」な対応によって銀行セクターを巡るストレスが和らぐ中、予想以上に強い経済とインフレ動向を踏まえ、FRBは金利を想定以上に引き上げる必要がある公算が大きいという見解を示した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 上昇して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言を受け、銀行セクターの流動性危機を巡る懸念が和らいだ。

欧州の銀行株が急落したことを受け、米主要3株価指数は序盤にいずれも大幅安となったが、切り返し、プラス圏で終了した。

FRBによる利上げや銀行システムの健全性を巡る懸念の高まりなどで今週は値動きの激しい展開が続いたが、週間では主要3指数とも上昇を記録した。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は24日、規制当局の「強力かつ迅速」な対応によって銀行セクターを巡るストレスが和らぐ中、予想以上に強い経済とインフレ動向を踏まえ、連邦準備理事会(FRB)は金利を想定以上に引き上げる必要がある公算が大きいという見解を示した。

米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は24日、FRBが今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイント利上げに踏み切ったことについて、疑念はなかったという認識を示した。

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、銀行セクターを巡る懸念がFRBによる今週の利上げ決定を困難なものにしたと認めた上で、FRBの最も重要役割はインフレ率の低下に焦点を当て続けることだと述べた。

欧州の銀行株の下げを受けて銀行を巡る懸念が高まったが、午後になると和らいだ。

S&P500銀行株指数は小幅安となったが、KBW地方銀行株は2.9%上昇した。

S&P主要11セクターのうち9セクターが上昇。S&P公益事業やS&P不動産などのディフェンシブセクターの上昇が目立った一方、S&P一般消費財とS&P金融が下げた。

ドイツ銀行株の米上場株は3.1%下げた。

JPモルガン、ウェルズ・ファーゴなど米主要銀行は下げ幅を縮小。バンク・オブ・アメリカはプラス圏に上昇した。

パックウェスト・バンコープ、ウェスタン・アライアンス・バンコープはそれぞれ3.2%、5.8%上昇。ファースト・リパブリック・バンクは1.4%安となった。

アクティビジョン・ブリザードは5.9%高。英競争規制当局がマイクロソフトとアクティビジョンの買収に関する競争上の懸念を一部取り下げたことを受けた。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米利上げ休止観測や米欧の金融不安を背景に買いが先行したものの、その後は利益確定の売りが優勢となり3日ぶりに反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比12.10ドル(0.61%)安の1オンス=1983.80ドル。週間では10.30ドル(0.52%)上昇した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は22日の金融政策会合で市場の予想通り、0.25%利上げを決定。ただ、米欧の金融システムを巡る懸念から、米利上げ停止が近づいていることを示唆した。これに伴い米金利の先高観が後退する中、金利を生まない資産である金の保有に伴う機会費損失への懸念が緩和。さらにこの日はドイツ銀行など欧州銀行株の急落を受けて、リスク警戒感から「質への逃避」の買いも加わった。相場は前日に続き、一時2000ドルの大台に乗せた。

ただ、買い一巡後は利益確定の動きや週末要因の売りに押され、マイナス圏に転落。外 国為替市場でドル高・ユーロ安となり、ドル建てで取引される金に割高感が生じたことも、 朝方の上げ幅を相殺する要因となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 欧州の金融システム不安が再燃したことなどが重しとなり、続落した。米国産標準油種WTI中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比0.70ドル(1.00%)安の1バレル=69.26ドルだった。6月物は0.71ドル安の69.41ドル。

米ブルームバーグ通信は23日、ロシアの新興財閥(オリガルヒ)が経済制裁を逃れる手助けをした可能性があることから、米司法省がスイス金融大手のクレディ・スイスとUBSを調査していると報じた。両銘柄が売られると、ドイツ銀行など欧州主要銀の経営を巡る懸念も台頭。一部の銘柄が急落し、投資家のリスク警戒感が強まった。また外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇し、ドル建てで取引される原油の割高感が意識された。

グランホルム米エネルギー省長官が23日、戦略石油備蓄(SPR)の補充に数年かかる可能性があると発言し、需給逼迫(ひっぱく)懸念が後退したことも、引き続き相場を圧迫した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 130.69/130.72

始値 129.89

高値 130.89

安値 129.82

ユーロ/ドル NY終値 1.0759/1.0763

始値 1.0728

高値 1.0767

安値 1.0714

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.00 3.6438%

前営業日終値 98*31.00 3.6820%

10年債(指標銘柄) 17時05分 101*02.00 3.3725%

前営業日終値 100*25.50 3.4040%

5年債(指標銘柄) 17時05分 102*21.25 3.4075%

前営業日終値 102*20.00 3.4170%

2年債(指標銘柄) 17時05分 101*18.50 3.7667%

前営業日終値 101*16.38 3.8060%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 32237.53 +132.28 +0.41

前営業日終値 32105.25

ナスダック総合 11823.96 +36.56 +0.31

前営業日終値 11787.40

S&P総合500種 3970.99 +22.27 +0.56

前営業日終値 3948.72

COMEX金 4月限 1983.8 ‐12.1

前営業日終値 1995.9

COMEX銀 5月限 2333.9 +8.3

前営業日終値 2325.6

北海ブレント 5月限 74.99 ‐0.92

前営業日終値 75.91

米WTI先物 5月限 69.26 ‐0.70

前営業日終値 69.96

CRB商品指数 258.4906 +0.7122

前営業日終値 257.7784