[ベイルート 23日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は23日、レバノンは1年前に約束した改革を実行できておらず、非常に危険な状態だと警告し、政府は中央銀行からの借り入れを停止すべきだと訴えた。

IMF調査団を率いるエルネスト・リゴ氏はベイルートで記者会見し、レバノン当局は30億ドルの金融支援の条件履行を加速すべきだと強調した。

改革に関連する「法律の実行と承認についてもっと多くが期待されていた」が、進展は「極めて遅い」と指摘。「レバノンは非常に危険な状況にある」と危機感を示した。IMF当局者がこうした率直な発言をするのは異例。

レバノンは世界最悪レベルの金融危機に陥り、1年近く前にIMFからの支援計画ついて事務方レベルで合意した。しかしその後、計画の完全実施に必要な条件を満たしていない。

レバノンは2019年以降、通貨レバノンポンドが米ドルに対して98%下落し、3桁のインフレ、貧困の拡大、国民の海外流出などに見舞われ、経済が機能不全に陥っている。