[24日 ロイター] - 物言う株主として知られる米バリューアクト・キャピタルは24日、セブン&アイ・ホールディングス に対し「企業戦略の失敗」を理由に、定時株主総会において、取締役14人のうち4人の再任に反対する意向を通知した。

セブン&アイ株の4.4%を保有するバリューアクトは1月、同社経営陣にコンビニ事業の分離を求めていた。

バリューアクトは書簡で、セブン&アイとの数カ月にわたる対話が成長加速や収益および企業評価の改善を目指す戦略の採用につながっていないことに不満を表明した。ロイターが書簡の内容を確認した。

「シナジー効果」と構造改革を約束したにもかかわらず、セブン&アイの大半の事業で繰り返し経営が失敗した結果、多角化で企業価値の評価が下がる「コングロマリットディスカウント」が根強く残ったとした。

バリューアクトがどのように4人の取締役の解任を目指すかは、書簡には明記されていない。どの取締役かも公表していない。また、4人の取締役候補を推薦したが、これらについても名前は明かしていない。

バリューアクトは昨年にセブン&アイの取締役に新たに就任した6人については当時支持を表明している。

バリューアクトは「ガバナンスの失敗」を巡り、4人の取締役を非難。2020年の買収報道について開示を怠ったほか、客観的な後継者評価を行わず、ガバナンスのベストプラクティスに沿った独立した戦略見直しも実施しなかったとしている。

セブン&アイはバリューアクトから取締役選任議案に関する株主提案を受け取ったことを認めたうえで「提示された内容については、取締役会で精査・検討を進める」とコメントした。