日本のAI政策、「和製ChatGPT」の開発にこだわるべきか否か--自民党が提言へ
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注目のコメント
政治まで動くほどのインパクトなのかという驚きです。
意見は立場によって様々でしょうが、個人的には、独自の和製ChatGPTのスクラッチ開発に今から乗り出すことには、かなりリスクを感じます。LLMのベースとなっているGPT系のAIモデルは、すでにオープンソースとして論文公開されているため、モデルそのものを構築することはそう難しくないと思われますが、一方、困難を極めるのが学習データの収集です。
ChatGPTのような良質なレスポンスを実現するためには、大量かつ(ある程度)正確な情報に基づいたデータを収集する必要があり、すでにOpenAIらが一定実現しているこの段階で、その開発を独自に進めることにはあまり意味がないように思います。
しかも、GoogleやMeta、Microsoftなどが、保有する検索エンジンなどから大量にデータを集めやすい環境と異なり、多くの日本企業はそうした大規模プラットフォームを保有しておらず、収集できるデータの範囲にも限りがあります。(可能性があるのはLINEやYahooくらい??)
さらにはその開発を進めている間にも、世界的には画像・音声なども含めたマルチモーダル化が進んでいくはずで、独自LLM開発への注力はさらなる遅れを取ることにもなりかねません。
こうしたことを鑑みると、個人的には、海外発のLLMとの連携に活路があるように思います。とくに、日本ならではの慣習・制度・文化を折り込むということはやはり日本人にしかできないことですし、また、汎用化されたものではなく、ある程度ニッチな領域に専門性を発揮するツールの開発においては、価値が発揮しやすいがあるように思います。
この件は倫理的な観点も含まれることから賛否両論でしょうが、こうした価値ある議論が早々に出てくるということ自体は、前向きに捉えるべき状況だと感じます。