[ムンバイ 21日 ロイター] - インド準備銀行(RBI、中央銀行)は21日公表した最新の月報で、経済成長ペースは足元で加速しつつあり、世界的な金融の混乱による影響を大きく受ける公算は乏しいとの見方を示した。

RBIは「世界経済とは異なり、インド経済は減速せず、2022─23年度(23年3月終了)の拡大ペースを維持する。われわれはインドについて楽観的な見方を維持している」と強調した。

RBIは22─23年度第4・四半期の実質国内総生産(GDP)成長率を5.3%と予想。第3・四半期の実績は4.4%だった。今年度の成長率は7%と見込まれている。

一方でRBIは、最近の米国での銀行破綻が経済活動に及ぼす直接的な影響は限定的にとどまる可能性があるが、市場は一段と引き締まった金融環境に備えており、金融安定を巡る問題と金融政策の間にトレードオフの関係が生じる恐れがあると指摘した。

RBIによると、インドはコロナ禍から当初の想定よりも力強く回復した。農業部門は季節的に上向きつつあり、工業部門は縮小局面から脱却、サービス部門は勢いを維持している。

だが、投入コストの面で負担が明らかに軽減されているにもかかわらず消費者物価指数(CPI)とコアCPIの上昇率は高止まりしているとして、継続的な物価高への懸念を表明した。

2月のCPI前年比上昇率は6.44%と1月の6.52%からわずかに鈍化したものの、RBIの目標レンジの上限である6%をなお上回っている。