【CO2削減】東京メトロが挑む省エネ。車両床下にある世界初の技術
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つくづく不思議なのは、日本企業は消費電力を減らすことばかり考えて、電気を作ることをあまり考えない傾向があることです。
作る系ですと、チャレナジーという日本のベンチャーは台風の強風下でも発電可能なマグナス式風力発電機を作り、発電しながら海水から水素を取り出す先見の明がある事業を展開しています。
また、「海のテスラ」と言われる日本のベンチャーPower Xが遠洋にて風力発電してバッテリーに充電し、船で国内に運び、コンビニやイベント会場などに移動式のバッテリーを供給する事業を進めています。
テスラは太陽光で大規模発電をしてEVに電力を供給しますが、Power Xは海で発電して電力を使用するため、この異名がついています。
海に囲まれた日本は国土の12倍もの広さの領海を有し、領海の広さは世界第6位。
電力供給の議論には条件反射で原発を持ち出す日本ですが、日本は再生可能エネルギーに向かないというのは単なるバイアスなので、日本の領海の広さという特徴を活かしている次世代のテック企業にもっと投資をして、国自体がカーボンニュートラル、またはカーボンネガティブを目指すくらいしても良いのではと思います。
原発を使うなら使うで、原発のゴミ(イエローケーキ)をエネルギーとして使い、事故の原因になる人手が運転に必要なく、緊急時には自動停止するビルゲイツが進める次世代の原子力バッテリーのような洗練されたテクノロジーの導入を検討すべきです。
Netflixのビルゲイツのドキュメンタリーでは、日本の原子力発電所は設計がかなり古く、人手が多分に必要で、有事の際も制御棒を入れないと止まらない為、「計算尺で動いている」と、設計チームから揶揄されています。
もちろん減らすことも重要なのですが、電気を作ることにももっと注目し、人材やコストを投下してもいいのではと思います。省エネ、CO2削減施策は業種・業界関係なく、どの企業も取り組んでいる重要なテーマだと思います。今回、紹介する企業は東京メトロ。合計9路線を運営し、膨大な電力を使っているなか、2050年度にCO2の排出量を実質ゼロにする挑戦的な目標を掲げています。
さまざまな施策を講じていますが、今回紹介するプロジェクトの主役は、三菱電機と共同開発した車両床下に設置されている装置。電車の省エネという馴染みのない分野かと思いますが、超巨大インフラ企業と総合電機のタッグで何を進めていたのか。ご一読いただければと思います。電車のエネルギー効率は、現在一般的となった VVVF + 誘導電動機 と回生ブレーキ の組合せより、抵抗制御 + 直流直巻電動機 の時代に比べて大幅に向上しています。 誘導電動機は堅牢かつ構造が簡単という優れた特徴を持ちますが、エネルギー効率をさらに高めるため、回転子にi2rの損失が発生する誘導機の替わりに、 PMSM や 同期リラクタンスモータ が実用化されるようになりました。
リラクタンスモータは制御が複雑で、しかも鉄道用であるため低速大トルクから高速運転まで対応しなければなりませんが、東京メトロ日比谷線で営業運転車による実証試験を実施した結果18%の効率化を確認できたとのことです。