[16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が16日に銀行危機への懸念が高まる中でも0.5%ポイントの大幅利上げを決定したことを受け、米短期金融市場で米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で0.25%ポイントの利上げを決定するとの観測が高まった。

米銀2行の経営破綻やスイスの金融大手クレディ・スイスの経営不安を受け、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)での決定について市場でさまざまな観測が出ていた。

ただ、ECBが物価対応を優先させ大幅利上げを決定したことを受け、米短期金融市場でFRBは0.25%ポイントの利上げを決定するとの見方が増大。米労働省が発表した3月11日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が前週から減少したことでも、こうした観測が後押しされた。

FRBが来週の会合で利上げをいったん停止する確率は20%程度に低下。一方、FRBが0.50%ポイントの利上げを決定するとの観測はなくなった。

EYパルテノンのチーフエコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「FRBはECBと同様に、金融政策とマクロプルーデンス政策を区別する二重の政策アプローチを採用する」との見方を示している。

FRBは昨年3月以降、政策金利を合計4.5%ポイント引き上げた。21─22日の会合で0.25%ポイントの利上げが決定されれば、政策金利は4.75─5.0%になる。