京都が育てる「食える芸術家」、異色のアートフェアが狙う日本の巻き返し策 中国・韓国など、国策アート振興への対抗に必要な「起業家意識」
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芸術家の経済的な自立は、活動を続けていく上で必要不可欠だということに異論はありません。
一方、こういったフェアでは、作品を購入する側の意識も重要だと思います。
インテリアに馴染む手軽な作品、すぐに商業化・量産化できそうな作品ばかりが求められると、アーティスト側に意識も、次第にそういう購買者のニーズを満たす方向に流れていってしまいます。
アーティストの活動自体に価値を見出してサポートする、長期的なサポーターのような購買者が増えることを願います。
注目のコメント
京都文化博物館、京都新聞社、渉成園の3会場に足を運びました。出展する若いアーティストたちが作品を説明しつつ「販売」する姿に未来を見て、ぼくは3点購入しました。応援、ではなく、共感とレスペクト。
母校である京都芸術大学の卒業制作展から発展した、作家が自分の作品を直接販売するアートフェア。素晴らしい取り組み。ぜひ規模を広げて長く続いていってほしい。
海外との比較よりも、そもそも日本の中で芸術の地位が低すぎることに危機感を抱いている。自国にも高い価値を認められている作品や伝統工芸が多くありながら、それらの価値も教えられていない。アート=西洋絵画のイメージが付き纏うのは、日本の美術教育がそれらを中心に据えているからだ。STEAM教育の”A”にリベラルアーツや道徳といった広義の解釈を加える前に、まず美術教育そのものを見直すべきだ。
芸術がお高く止まりすぎている側面も否めない。一部の富裕層コレクターが高値で買うもの、というイメージを払拭するためにも、もっと手の届く価格で流通する機会を増やすべきだ。そういった目的にもこういうフェアが貢献してくれることを期待したい。
なお日本のアートマーケットに関しては、日本の矮小な住宅事情も考慮しないわけにはいかない。平置きが前提となる造形芸術は日本の都心のマンションの一室には到底置けないし、壁掛けが可能な絵画や写真ですらもスペースは極めて限られている。アーティスト側もひとたび「売る」となればこのことを意識しておく必要がある。もちろん、その制約によって創作の営みそのものが小ぢんまりとしてしまわないように留意しながらではあるが。