[ワシントン 3日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が3日発表した2月の非製造業総合指数(NMI)は55.1と1月の55.2からわずかに低下した。ただ、米経済の3分の2超を占めるサービス業の拡大を示す50を上回ったほか、経済全体の長期的な成長期の水準とされる49.9も大きく上回った。新規受注と雇用が1年超ぶりの高水準となった。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は54.5だった。

ISMの調査では、企業は「景況感はほぼポジティブ」という見方を示すなど、景気後退(リセッション)が差し迫っている兆候は確認されず、米連邦準備理事会(FRB)が夏にかけ利上げを継続する可能性がある。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「経済活動はさほど減速しておらず、物価とマージンに対する圧力は継続している」と指摘。「雇用の増加を伴う中、FRBにとっては利上げ継続への青信号となる」と述べた。

建設、小売、宿泊・飲食サービス、専門・科学・技術サービスなどの13の業者が「拡大」、卸売りや情報など4業種は「縮小」と報告した。

企業からの回答はまちまちで、宿泊・飲食サービスは「経済的な逆風にもかかわらず販売活動はおおむね堅調」とし、専門・科学・技術サービスは「新たなビジネスサイクルで需要の堅調な増加」を指摘。一方、情報関連企業は「コスト削減が難しくなっている」とし、「マージン確保に向けより積極的な人員削減が必要になった」と回答した。

新規受注指数は1月の60.4から62.6に上昇し、2021年11月以来の高水準となった。

支払い価格指数は65.6と1月の67.8から低下。一部のエコノミストはISM非製造業の価格指数を米連邦準備理事会(FRB)が注目している個人消費支出(PCE)価格指数の有用な予測材料とみなしている。

雇用指数は54.0と1月の50.0から上昇し、21年12月以来の高水準を付けた。

供給業者の納入を示す指数は1月の50.0から47.6に低下。同指数は50を下回ると納入が早まることを意味し、納入が09年6月以来最も速いペースとなっていることを示した。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、プリシラ・ティアガモワース氏は「堅調なサービス需要によってインフレが持続する可能性があり、FRBに一段の利上げ継続圧力がかかるだろう」と述べた。