[ニューデリー 1日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)外相会合が1日、インドの首都ニューデリーで開幕し、夕食会が開かれた。討議は2日に行われ、ブリンケン米国務長官やロシアのラブロフ外相、中国の秦剛外相らが率いる約40の代表団が出席する。

議長国インドのクワトラ外務次官は、ロシア・ウクライナ紛争が重要な議題になるとした上で、「食料、エネルギー、肥料の確保に関する問題、紛争がわれわれの直面する経済問題に及ぼす影響も当然焦点になる」と確信していると述べた。

ブリンケン長官はラブロフ氏、秦氏との個別会談はいずれも予定していないと述べている。また、米国務省高官は記者団に対し、「G20がロシアのウクライナ侵侵攻を巡り非難し続けることが重要」という認識を示した。

インド当局者によると、ブリンケン長官と秦外相のほか、ドイツ、フランスの外相はニューデリー入りが遅れるため、夕食会には出席しない。

ラブロフ外相は夕食会に出席する計画で、ロシア大使館の要請により、アラブ首長国連邦と東アジア諸国の代表団と同席する予定という。

欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は、ウクライナでの「戦争は非難されなければならない」とし、「戦争を終わらせなければならないとロシアに理解させるために、インドの外交能力が活用されると期待している」と述べた。

EU筋によると、戦争を非難する文言が盛り込まれなければ、EU代表団は声明を支持しない見通しとした。

ドイツ外務省の報道官は、ベアボック外相は「必要に応じ、これまでと同様、ロシアのプロパガンダに断固反対する」と述べた。

クレバリー英外相はインドと連携し会合の成功を目指すとした上で、秦氏との個別会談は行うが、ラブロフ外相との会談については「ロシアの行動を踏まえ、閣僚レベルでの直接会談は不適切というのがわれわれの立場だ」と語った。

駐ニューデリー・ロシア大使館は2月28日に発表した声明で「われわれは世界の政治と経済における現在の深刻な問題の原因と誘因について率直に協議する」とし、「米国とその同盟国による破壊的な政策はすでに世界を大惨事の瀬戸際に追いやり、社会経済発展の後退を引き起こし、低所得国の状況を深刻に悪化させている」とした。