[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は27日、セルビアとコソボ両国がこの日の首脳会談で関係正常化に向けた和平協定締結に基本合意したが、合意内容を実行する上でさらなる協議が不可欠だと述べた。

両国の仲介役を務めるボレル氏がブリュッセルに招いたセルビアのブチッチ大統領とコソボのクルティ首相は、和平協定にはこれ以上の議論は必要ないとの点で意見が一致した。

ボレル氏は「進展があった。私は双方の取り組みを称賛する」と語ったが、「同時に本日双方が受け入れた内容を確実に実行するには、一段の作業も求められている」と付け加えた。

セルビアの自治州だったコソボは約10年にわたる紛争を経て2008年に独立したものの、セルビアはなおコソボを承認せず、対立が続いている。

今回の合意に基づくと、セルビアはコソボを独立国家としてなお認めない一方、コソボがパスポートや外交文書などを発行するのは容認し、国際機関加盟も妨害しないという。

ただ合意の詳細部分や引き続き意見が衝突する項目については、和平協定に付属する実行文書に盛り込まれる見通し。

ボレル氏は、この付属文書を詰めるために3月にもう一度両国の首脳会談を開く考えを示した。