[東京 28日 ロイター] - 経済産業省が28日公表した1月の鉱工業生産指数速報は前月比4.6%低下の91.4だった。マイナスは3カ月ぶり。上海のロックダウン(都市封鎖)の影響を受けた昨年5月以来の低水準で、マイナス幅も同月以来の大きさだった。部材不足で自動車、スマートフォン需要の落ち込みで半導体や製造装置が特に減少した。

生産の基調判断は「弱含んでいる」で据え置いた。2月と3月の生産予測指数はプラスを見込んでいる。

<半導体製造装置で納期延期>

ロイターが集計した1月の民間予測は同2.6%低下で、これを下回った。15業種中12業種で前月比でマイナスだった。業種別では 自動車、生産用機械、電子部品・デバイスが低下した。乗用車や半導体製造装置、ショベル系掘削機械、半導体メモリー、固定コンデンサーなどが減少した。

経産省によると、低下幅4.6%のうち3%が自動車工業と生産用機械。自動車工業は部材不足や大雪による一部工場操業停止の影響で10.1%減だった。生産用機械は13.5%減。うち半導体製造装置は26.8%減で、経産省は「顧客の納期延期など設備投資需要低下が響いた」と説明。「米国の対中規制の直接の影響はない」とした。

電子部品・デバイスも前月比で4.2%減。うち半導体メモリーが19.0%と大きく減少した。スマートフォン向け需要が大きく低下しているという。

生産予測指数は2月が前月比8.0%上昇、3月が同0.7%上昇。予測指数は企業の生産計画に基づいて作成されるため上振れ傾向があるため、この影響を除いた試算値では2月は前月比1.3%の増産にとどまる見通しで、「1月のマイナス幅を取り戻すのは難しい」(経産省)という。