[東京 4日 ロイター] - 安倍晋三首相は4日午前の衆議院予算委員会で、日銀法の改正について「将来の選択肢として視野に入れていきたい」との考えを示した。

山本幸三委員(自民)の質問に答えた。

日銀法を改正し、インフレ目標などを法律で定めたほうがいいのではないかとの指摘に対し安倍首相は「政策目標は政府と中央銀行が共有する。同時に目標に進んでいく手段は日銀が決めることでないとならい」との考えを示したうえで、「黒田日銀総裁を信頼している。日銀法改正については将来の選択肢として視野に入れていきたい」と語った。また現在の金融政策運営に関しては「物価安定目標に向け、今後も大胆な金融緩和を着実に推進していくことを期待している」と述べた。

アベノミクスと格差の関係については「われわれが政権をとって2%賃金が上がった。働き盛りの55歳以下では正規労働者が非正規労働者になる数と、非正規労働者が正規労働者になる数が逆転した。非正規、正規の収入の差も縮まり始めている」と強調。「デフレ下では新たな果実は生まれない」と述べた。

また首相は、消費税率10%への引き上げを1年半先送りしたことについて、「デフレ脱却、アベノミクス成功にはこの道しかないと判断した」と語った。

<黒田日銀総裁、物価安定目標に「着実に進んでいる」>

日銀の黒田東彦総裁は、デフレマインドからの脱却には2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するという日銀の強いコミットメントが重要との見解をあらためて表明。2%の物価安定目標の実現に「着実に進んでいる」とし、今後も「目標達成に向かってまい進していきたい」と語った。

そのうえで、2%の目標の早期実現は「政府との共同声明にはっきりうたわれている」とし、「日銀として自己の責任で2%の物価安定目標を達成したい」と強調した。

(石田仁志、伊藤純夫)