[キーウ/マリンカ(ウクライナ) 14日 ロイター] - ロシア軍は14日、ウクライナ東部ドネツク州の要衝バフムトへの攻撃を続けた。全面侵攻開始から1年が近づく中、ロシア軍はウクライナ南部と東部の広範囲で作戦を強化し、新たに大規模攻勢をかけると予想されている。

ドネツク州のパブロ・キリレンコ知事はウクライナ国営放送に対し「バフムトにはロシア軍の攻撃やドローンの射程に入っていない安全な場所は全くない」とし、ルガンスク州と共にロシアが主な目標としているドンバス地域を構成するドネツク州の全ての前線に沿って激しい攻撃を続けていると述べた。

ロシア軍がバフムトを制圧すれば、ドネツク州の主要都市のクラマトルスクとスラビャンスクに進出する足がかりとなると見られている。

ただ、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、ロシア軍はバフムトでの戦闘で前進しているとしながらも、バフムトを制圧したとしても「戦争全体に戦略的な影響は及ばない」との見方を示した。

また米国のオースティン国防長官は、ウクライナが春にもロシア軍に対する攻勢をかけるとの見方を表明。ロシア軍は戦場に多くの新兵を投入しているものの、多くは訓練不足で装備も整っていないと述べた。

ウクライナ東部で激しい戦闘が続く中、ウクライナの防衛支援を協議する関係国会合がこの日、ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部で開かれ、西側諸国はウクライナ支援は揺るがないと表明した。