大地震で深まるトルコ人とシリア難民の溝 なぜ災害は「差別感情」を高めてしまうのか | 内戦と震災を生き延びても
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「被災地で外国人の犯罪が増えている」など、外国人と犯罪を絡めるものは典型的な災害流言で、東日本大震災や広島土砂災害でも発生しました。
代表的な悪例としては、関東大震災で、「朝鮮人が略奪や放火をした、井戸に毒を入れた」などの噂が広まり、その結果多くの朝鮮人や中国人などが殺害されたと言われています。
災害時の混乱した状況においては、多くの人が不安、怒り、心配といった心理を共有することで噂ができあがり、広がっていく。
難しいのが、多くの場合は、悪意があって噂を広めている訳ではなく、犯罪に巻き込まれないようにと相手を気遣って伝えているケースが多いという点だと思います。
おそらく、平時から外国人犯罪に対する不安は社会に潜在的に存在していて、災害という危機的状況ではそれが顕在化しやすいのかと思います。
今回のトルコも、2010年のシリア内戦以降のシリア難民の増加がトルコ人の失業率に繋がっていると、世論として否定的な意見が高まってきていたタイミングだからこそ、こういった噂を加速させたのだと思います。
とはいえ、こういった差別は、人を傷つけ、分断を生じさせていきますので、「災害時はこういったデマが広がりやすい」ということを平時から当たり前にしていき、危機的状況下でも、「本当なのか?」「一次情報は何なのか?」と意識的に疑問を持てるようになる必要があると思います。