[ロンドン 9日 ロイター] - アラブ首長国連邦(UAE)最大の金融機関であるファースト・アブダビ・バンク(FAB)は、英スタンダード・チャータード(スタンチャート)に対し改めて買収提案を行う可能性がある。ブルームバーグ・ニュースが9日報じた。

報道を受けてスタンチャートの株価は9%上昇した。

FABは1月5日、スタンチャートを買収する可能性を一時検討していたことを明らかにした。

ブルームバーグによると、FABは買収提案が禁じられている期間が過ぎた時点で取り組みを再開することを検討している。スタンチャートの時価総額240億ドルに対し、300億─350億ドルを提示する可能性があるという。

英国と香港の買収規則では、スタンチャートの取締役会の同意を得るか他社が買収に乗り出した場合を除いて、FABは買収の試みを終了した時点から6カ月間は新たな提案を行うことはできない。

時価総額が比較的低いことや、アジア、アフリカ、中東の急成長市場に強みを持つことから、スタンチャートは以前から買収の標的として名前が挙がっていた。しかし規制や実務上で複雑な手続きが必要なことから実現に至っていない。

アナリストによれば、重要なドル決済銀行が買収されることに米当局が反対する可能性があることも障害になっている。