[ストックホルム 9日 ロイター] - スウェーデン中央銀行は9日、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ3.0%とした。物価高と通貨クローナ安という逆風に対抗し、今後数カ月の間に追加引き締めをすると予想した。

中銀は声明で「インフレは過度に高く、上昇し続けてきた」と指摘。「一段の引き締めにより、高インフレが長引き、ひいてはさらに大幅な引き締めが必要になるリスクを抑えている」と述べた。

その上で、4月から保有する政府債の売却を加速する方針を示した。

市場では、今回で利上げは打ち止めとの見方が多かったため、発表を受けてクローナは大幅に上昇した。

スウェーデン中銀は1年前にゼロ%だった政策金利を3%にまで引き上げた。それでもインフレが高止まりしているのは、クローナ安が輸入価格を押し上げていることが一因と指摘。「クローナが下げ続ければ、インフレ率を目標に持続的に戻すことが一段と困難になる」とし「現状では強いクローナが望ましい」とした。

中銀は今年少なくとももう1回利上げをし、その後はその水準を維持すると予想した。

アナリストは、中銀は物価高と通貨安、経済減速や住宅市場の落ち込みにそれぞれに目配りした政策運営を迫られるが、エリック・テデーン新総裁の下でタカ派スタンスを維持するとみる。

スエドバンクは「テデーン総裁は、自身を含む新たな陣容でインフレや通貨安と戦う決意を示している」とし、次回とその次の2回の会合で0.25%利上げすると予想した。

ノルデアは、4月に0.25%の利上げを予想するが、より大幅な利上げの可能性もあると指摘した。

クローナは過去6カ月でユーロに対し約10%下落している。クローナの一段安を防ぐためには、欧州中央銀行(ECB)の利上げに歩調を合わせる必要もある。