[ニューヨーク 7日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが1カ月ぶりの高値から下落し、円、スイスフラン、豪ドル、ニュージーランドドルなどに対し全面安となった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が今年のインフレは大幅に低下すると述べ、ディスインフレが始まったとの見方を改めて示したことを受けた動き。

パウエル議長は1月の米雇用統計について「これほど強いとは予期していなかった」とし、「金融引き締めがなぜかなりの期間を要するプロセスになるかが示された」と述べた。

ただ、力強い雇用統計にもかかわらずタカ派スタンスに戻らなかったことで、すでに織り込まれている以上の利上げは行われないとの見方が市場で広まった。

コメリカバンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は「パウエル議長はより積極的な姿勢への転換を示す機会があったにもかかわらず、その機会を利用しなかった」とし、「FRBはあと1回、もしくはあと2回の利上げを実施した後、利上げを停止する」との見方を示した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の103.39。パウエル議長の発言を受け、この日の安値を付けた。

ユーロはほぼ横ばいの1.0719ドル。 一時は1.0670ドルと、5週間ぶり安値を付けた。

ドルは対円で1.2%安の131.07円。前日は日本経済新聞が政府が黒田東彦日銀総裁の後任として雨宮正佳・日銀副総裁に就任を打診したと報じたことを受け、ドルは対円で1カ月ぶり高値を付けていた。雨宮氏は他の候補者よりもハト派的と見られている。

英ポンドは0.1%高の1.2035ドル。前日は1.1974ドルと、1カ月ぶり安値を付けていた。

豪ドルは0.9%高の0.6943米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこの日、25ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。追加利上げが必要になるとの見通しを改めて示し、大方の予想よりもタカ派的なトーンを打ち出した。

ドル/円 NY終値 131.05/131.08

始値 132.13

高値 132.16

安値 130.49

ユーロ/ドル NY終値 1.0723/1.0727

始値 1.0702

高値 1.0766

安値 1.0669