[7日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットやマイクロソフトなどハイテク大手が今後急成長が見込まれる人工知能(AI)分野への投資を急ぐ中、AIに従事する小型株に個人投資家の資金が流入している。

調査会社バンダ・リサーチによると、AIソフトウエアを手掛けるC3.aiは6日、フィデリティの小口投資家向けプラットフォームで5番目の出来高を記録。個人投資家からの資金流入額は1日で3140万ドルと過去最高だったという。株価は7日に4.5%下落したが、年初来では約140%高となっている。

タトル・キャピタル・マネジメントのマシュー・タトル最高経営責任者(CEO)は、個人投資家が小型株に注目する理由について「小型株は大型株よりもAIが事業に占める割合が大きいため」と説明。約1週間前にC3.ai株をショートしていたが、値動きを受けロングへの転換を試みているという。

音声AIプラットフォームサービスを提供するサウンドハウンドAIやタイのセキュリティ企業ガードフォースAIの株価は年初来で2倍超、分析企業ビッグベアAIの株価は約9倍となっている。

7日はサウンドハウンドAIが4%、ガードフォースAIが12%上昇する一方、ビッグベアAIは10%下落している。

自動応答ソフト(チャットボット)「チャットGPT」を開発した米新興企業オープンAIを支援するマイクロソフトの株価は約2%高。

アルファベットのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は6日、AIを使ったチャットボット「バード(Bard)」をテストユーザー向けに公開中で、数週間以内には一般にも利用できるようにすると明らかにした。

バークレイズのアナリスト、ライモ・レンスチョウ氏は、マイクロソフトはオープンAIとの緊密なパートナーシップおよびクラウド基盤「Azure(アジュール)」の組み合わせにより、AIを巡る競争で優位な立場にあると指摘している。

また、中国インターネット検索大手の百度(バイドゥ)の米上場株がこの日、約15%上昇。7日に「チャットGPT」のようなAIを使ったチャットボット「文心一言(アーニー・ボット)」の内部試験を3月に完了すると発表した。これを受け、中国のAI関連株にも資金が流入した。

アルパイン・マクロのチーフグローバルストラテジスト、チェン・ザオ氏は「市場は今、今後10年にわたって市場をリードする次の大きな材料を模索しており、AIがそれに当たる」と指摘。「投機的な動きかもしれないが、AIが今後一大テーマになると誰もが考えている」とした。