[フランクフルト 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連銀総裁は7日、インフレ率を2%に戻すために一段の大幅利上げが必要になると述べた。ただ、不透明感が強いことを踏まえ、段階的に進めなくてはならないとの考えを示した。

ナーゲル総裁は独紙ベルゼン・ツァイトゥングに対し「現況では一段の大幅利上げが必要だ。ただ、段階的に進めるのが正しいと考えている」と述べた。

その上で、ECBの現在の金利水準はインフレ率を大きく下回っているため「制約的」とは言えないと指摘。インフレ率が目標とする2%に戻ると確信したときのみ利上げを停止すべきとし、2023年末までに利下げが実施されるとの観測を否定した。

ECBの保有資産圧縮については、満期を迎えた債券の償還資金を完全に再投資しない計画は金融市場でうまく消化されるとし、実際には一段と速いスピードで実現する可能性もあると述べた。

ドイツ経済については、今年のインフレ率は6─7%で推移すると予想。従来は7%を超えると予想されていた。また、ロシアによるウクライナ侵攻に起因するエネルギー危機でドイツが最も大きな打撃を受けると見られてる中でも、ドイツ経済はハードランディング(強行着陸)しないとの見方を示した。

シュナーベルECB専務理事はこの日に行った講演で、金利が十分に上昇したと示す証拠はほとんどないと指摘。「信用市場の引き締まりが見られているが、インフレ率が中期的に2%の目標に戻ると期待できるほど、金融政策が機能しているかどうかはまだ分からない」と述べた。

ECBは2日の理事会で政策金利を0.5%ポイント引き上げ3%とした。3月にも0.5%ポイントの追加利上げの方針を示し、高インフレとの戦いを続ける道筋を再確認した。