[ロンドン 7日 ロイター] - 英石油大手のBPが7日に発表した2022年通年決算は、ロシアによるウクライナ侵攻以来のエネルギー価格の高騰を背景に、利益が276億ドルと過去最高を更新した。10%の増配も発表し、投資計画も大幅に引き上げた。ただ、30年までの石油・天然ガス生産縮小目標は引き下げた。

昨年第4・四半期は、純利益に相当する実質ベースの再調達原価利益が48億ドルとなった。同社が提供したアナリスト予想は50億ドル。前年同期は40億ドル、22年第3・四半期は82億ドルだった。

BPは第4・四半期について、「例外的」だった第3・四半期後にガス取引事業が低迷したことや、製油所のメンテナンスの増加、原油・ガス価格の下落が影響したと説明している。

配当は10%増やし、1株当たり6.610セントとした。

また、向こう3カ月で27億5000万ドル相当の自社株買いを行う計画も発表した。22年には117億ドルの自社株を取得している。

<投資拡大>

3年前に就任したバーナード・ルーニー最高経営責任者(CEO)は、BPの事業を石油・ガスから自然エネルギーや低炭素エネルギーに転換し、温室効果ガス排出削減計画を打ち出した。

7日の戦略説明では、低炭素バイオ燃料と水素の開発に重点を置き、再生可能エネルギーと石油・ガスの双方について年間投資計画を10億ドル拡大すると説明した。

しかし、石油生産の削減計画は縮小。30年までの削減幅(19年比)を当初目標の40%から25%に修正した。

投資計画については、石油・ガス事業とエネルギー移行事業に均等に振り分ける方針を改めて示した。総投資額は最大160億ドルから同180億ドルに引き上げた。

昨年、米国の再生可能天然ガス会社を41億ドルで買収したBPは、この分野を強化する方針。まずは自社製油所向けに低炭素水素を年間50万─70万トン生産する目標も掲げている。