[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が31日発表した第4・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%増と、予想外の増加を記録した。

エネルギー高騰、信頼感の低下、金利上昇が重しとなったものの、景気後退(リセッション)を回避した。ロイターがまとめた市場予想は0.1%減だった。

前年比では1.9%増。市場予想は1.8%増だった。

主要国では、ドイツとイタリアがマイナス成長。フランスとスペインがプラス成長だった。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのアナリスト、ケン・ワットレット氏は、昨年終盤の経済状況について誤解を招きかねない内容だと指摘。「加盟国のデータをみると個人消費が幅広く弱く、インフレ高騰が家計の実質所得を急激に圧迫している」と述べた。

第4・四半期のアイルランド成長率は3.5%。エコノミストによると、税制上の要因による拠点を置く大手外資系企業の活動が主因で、全体の数字を歪めており、アイルランドを除くとユーロ圏の成長率はゼロだったという。

コメルツ銀行のエコノミスト、クリストフ・ヴァイル氏は「今後数カ月、金融政策の顕著な引き締めは一段の景気減速につながる」と指摘。「今年上期のユーロ圏経済は小幅縮小し、年後半に予想される回復は弱い可能性が高いと引き続き予想している」との見方を示した。