[サンティアゴ 29日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は、南米歴訪の機会を利用してウクライナへの支援強化を実現させようとしているが、アルゼンチンのフェルナンデス大統領が武器供与を否定するなど、ウクライナ支援を巡りドイツと南米諸国の温度差が浮き彫りになっている。

ショルツ氏はアルゼンチン、チリ、ブラジルの3カ国が昨年の国連総会でロシアによるウクライナ軍事侵攻を非難したことに言及し、南米諸国との結束を強調しようとしている。

ただ、欧米諸国による対ロシア制裁で食料やエネルギー価格が高騰し、南米地域にも影響が及んでおり、ウクライナ戦争を巡る欧米の姿勢に疑問が生じている。

アルゼンチンのフェルナンデス大統領は28日、首都ブエノスアイレスで行ったショルツ氏との共同会見で、ドイツ同様、ウクライナの早期和平達成を支援することを望んでいると述べた。ただ、武器供与について質問されると、「アルゼンチンや中南米諸国がウクライナやその他紛争地域に武器を送る計画はない」と否定した。

チリのボリッチ大統領は29日のショルツ氏との共同会見時に発表した声明で、ウクライナ戦争には言及せずに商品部門などにおける2国間協力を強調した。

ショルツ氏は30日にブラジルのルラ大統領と会談する予定。