[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米小売大手ウォルマートのチーフエコノミスト、ジョン・リスト氏は27日に開催されたイベントで、今年の米経済について楽観的な見方を示した。労働市場が過去の景気悪化局面に比べて堅調な点を理由に挙げている。

リスト氏は「現在の労働市場は、これまでの大半の景気後退(リセッション)時とは非常に異なっているように見える」と述べた。

同氏は、不完全就労者(アンダーエンプロイメント、フルタイム労働希望だがパートタイム職務に従事している人々)は過去20年で最も少ない上に、賃金伸び率は過去のどの同じ時期よりも高くなっていると指摘。いずれも新型コロナウイルスのパンデミックに起因するリセッションや2008─09年の金融危機とは対照的に、状況の明るさを物語っていると説明した。

またリセッションの蓋然性を聞かれた同氏は、米経済に何か新しく大規模なショックが加わらない限り、労働市場が下向きになる、あるいは2四半期連続のマイナス成長に見舞われるという事態は想像しがたいと答えた。

同氏はシカゴ大学の有名教授で、昨年4月にウォルマート入りした。