[27日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックスは27日付の調査リポートで、気温上昇や輸出能力の停滞を背景に、米天然ガス相場は今年から来年にかけて弱気サイクルに入るとの見方を明らかにした。また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の天然ガス先物価格予想を、2023年夏は100万BTU(英国熱量単位)当たり3.7ドル、23─24年の冬は3.6ドル、24年の夏は3.2ドルに引き下げた。

米天然ガス在庫は現在、過去5年平均(18─22年)を約5%上回っており、在庫が増加するとの観測の高まりを受けて、先物相場は20カ月ぶりの安値を付けた。

ゴールドマンは「1月の気温は平年より高かったほか、テキサス州フリーポートの液化天然ガス(LNG)輸出プラントの再稼働が予定より遅れており、在庫は4兆立方フィート近くまで増える」との見方を示した。

2月下旬には気温はさらに上がり、暖房需要はおおむね低水準で推移。電力会社の在庫利用は減り、価格は一段と下落する見通しという。

リポートによると、米天然ガス生産は今年、オクラホマ州の生産増に伴い、前年比41億立方フィート増加する可能性がある。ただ、指標価格となるヘンリーハブでのガス価格は予想をかなり下回っているため、10月末時点の在庫は3兆4000億立方フィートと、平年を大幅に下回る可能性があると予想した。