[ロンドン 26日 ロイター] - 英国の国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)は26日、ロシアを拠点するハッカー集団「コールドリバー」が政府や政治、学術、防衛、ジャーナリズムなど多様な分野を標的とした広範かつ継続的なサイバー攻撃の背後にいると警告した。

NCSCによると、コールドリバーは偽の電子メールやソーシャルメディアのプロフィールを使用して標的の知人などになりすまし、悪意のあるリンクをクリックさせてログイン認証情報を盗み出す手口を使うという。

ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は「われわれは認識していない」とコメントした。

ロイターは今月初め、コールドリバーが昨年夏に米国の3つの原子力研究機関を標的にサイバー攻撃を仕掛けたと報じていた。コールドリバーは「カリスト(Callisto)」や「シーボーギウム(Seaborgium)」とも呼ばれるという。

サイバーセキュリティー研究者や西側諸国の政府当局者はロイターに対し、ロシアのウクライナ侵攻以降、コールドリバーはウクライナの同盟国へのサイバー攻撃をエスカレートさせていると明らかにしている。

またNCSCによると、「チャーミングキトゥン(Charming Kitten)」と呼ばれるイランを拠点とする別のグループも同様の手口の攻撃を展開している。イランの国連代表部は代表部は、イラン政府は同グループについて認識していないと述べた。