[東京 29日 ロイター] - 国内航空会社3位で経営不振に陥っていたスカイマーク<9204.T>は28日、自主再建を断念し、民事再生法の適用を東京地裁に申請したと発表した。負債総額は約710億円。運航は継続する。

投資会社インテグラル(東京都千代田区)の資金支援を受け、再生を目指す。西久保愼一社長は同日付で退任し、有森正和取締役が社長に就いた。

同社が民事再生法の適用を申請したのを受け、東京証券取引所は同日、東証1部に上場する同社株式を同日付で整理銘柄に指定し、3月1日に上場を廃止すると発表した。最終取引日は2月27日。

国内航空会社の経営破たんは2010年1月に会社更生法を申請した日本航空<9201.T>以来、5年ぶり。上場企業の倒産は今年初めて。大型旅客機の購入中止をめぐり、欧州航空機大手エアバス<AIR.PA>から支払いを求められている違約金7億ドル(約830億円)の交渉がまだまとまっておらず、負債総額はさらに膨らむ可能性がある。

スカイマークは1996年、旅行大手エイチ・アイ・エスの子会社として創業。日航や全日本空輸<9202.T>といった航空大手2社に対抗する「第三極」として誕生した。IT関連企業の創業者だった西久保氏が2003年にスカイマークの筆頭株主となり、04年に社長に就任。格安運賃を武器に事業を拡大し、無借金経営や経営の独立性にこだわり続けた。

しかし、2010年代以降に格安航空会社(LCC)の参入が相次ぎ、価格競争力が低下。競争激化で搭乗率も低迷し、最近は円安によるう燃料費の高騰や航空機リース料なども負担となり、資金繰りが悪化していた。2015年3月期の業績は過去最悪の136億円の最終赤字(前期は18億円の赤字)となる見通し。

同社は昨年から不採算路線の廃止や成田空港からの撤退、運賃引き上げなどで収益の改善に努めてきた。採算改善策として、夏ダイヤから日航や全日空との共同運航(コードシェア)も目指し、その協議の最中だった。さらに、財務体質強化のため、国内外のファンドから出資を求めるなど再建策を模索していた。

一方、スカイマークは収益性が高く「ドル箱」路線と呼ばれている羽田空港の発着枠を36便持っている。今後の業界動向次第では、発着枠の再配分や新たなスポンサー登場の可能性を指摘する声も出ている。

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