[フェルドホーフェン(オランダ) 25日 ロイター] - オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが25日発表した第4・四半期決算は、利益が予想を上回った。

2023年の売上高が25%以上増加するとの見通しも示した。

年末の受注残高は過去最高の400億ユーロ(436億2000万ドル)。有力顧客である台湾積体電路製造(TSMC)、サムスン電子、インテルは全て大規模な事業拡大を進めている。

クレディ・スイスのアナリストはメモで、ASMLの株価が最近大幅に上昇していることを踏まえると、決算の内容は市場で「否定的に受け取られる」可能性があるとした上で「同社の構造的な見通しは変わっていない」と指摘した。

0744GMT(日本時間午後4時44分)時点でASMLの株価は1.7%安となっている。

ピーター・ウェニンク最高経営責任者(CEO)は、経済に対する懸念や半導体在庫拡大で23年の経済見通しは悪化しているが、顧客は年末に向けた状況改善を予想しており、中国経済も新型コロナウイルス規制の終了で回復しつつあると指摘。「需要は依然として生産能力を上回っている」と述べた。

米政府が昨年10月、国内企業に対して新たな対中輸出規制を発動したが、ウェニンク氏はASMLの中国向け輸出は「何も変わっていない」とし、政府間の協議により規制について「合理的な解決策」がまとまるのを待つ考えを示した。

旧式の深紫外線(DUV)露光装置を中国本土へ輸出することはまだ可能と述べた。

22年の中国での売上高は21億6000万ユーロ。台湾、韓国に次ぐ規模で全体の14%を占めた。

第4・四半期の純利益は18億2000万ユーロ。前年同期は17億7000万ユーロだった。売上高は64億3000万ユーロ。

リフィニティブのデータによると、市場予想は純利益が17億ユーロ、売上高が63億8000万ユーロだった。