ロ軍事会社は国際犯罪組織 米が制裁へ、北朝鮮批判も

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注目のコメント

• 菅原 出

  国際政治アナリスト　危機管理コンサルタント

  ・2023年01月21日

  カービー氏の記者会見の内容を読みますと、この記事にある「ロシア軍は軍事作戦を続けるためにワグネルに依存している」という部分は少し間違っていますね。米政府は、プーチン大統領がワグネルに対する依存を強めているが、ワグネルとロシア軍の対立は強まっていると強調しています。
  　ワグネルは、ロシア国防省や他の省庁と競合する「パワーセンター」になっており、ワグネルの創設者プリゴジン氏は公の場で政府批判を強めているとのこと。カービー氏は、ワグネル社の軍事作戦の目的は「国益」のためではなく、プリゴジン氏の利益のために行っている、と述べています。
  　ワグネル社が北朝鮮から武器を調達している件についても、昨年11月中旬に列車で北朝鮮からロシアに武器が輸送されたとカービー氏は述べており、今後もこの取引は継続しそうだとして、北朝鮮に直ちにやめるよう求めています。
  　米政府がワグネルを「国際犯罪組織」に指定しても、北朝鮮とロシアは国境を接していて陸路で武器を取引しているので米国がそれを止める手立てはありません。現在ワグネル社と取引のあるアフリカなどの国々に対してもどれだけ効果があるのか。「強制力」がなければ制裁の影響力は限定的でしょう。