[フランクフルト 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストであるレーン専務理事は金融政策について、成長を制限し始める水準まで金利をさらに引き上げる必要があるが、金利サイクルの最終的なピークはまだ不透明だと述べた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が17日にインタビューを掲載した。

レーン氏は「昨年はより正常な水準まで金利を引き上げる必要があるのは明らかだと言うことができたが、今は実際には制限的な領域まで引き上げる必要があると言っている」と語った。

金利は現在「おおむね」中立で、景気を熱しも冷やしもしない状態にあるとした上で、ピークは昨年7月以降既に計2.5%ポイントに達している利上げに経済がどう反応するかに左右されると述べた。

ユーロ圏諸国の政府に対しては、補助金への支出が多すぎ、インフレ抑制に向け役割を拡大すべきだと主張。「残る大幅な赤字から立ち直る必要がある。大幅な財政調整が今後数年で必要になるだろう」と述べた。

インフレ率は今年急速に鈍化するが、その多くは前年同期のガス価格高騰というベース効果によると指摘。

「目標達成に向けた最後の道筋を確実に実現する上で金利政策が重要になる」とした上で、金利が制限的水準に達した後は利上げが過大になるリスクと過小になるリスクのバランスを取る必要があり、この問題が「今後1─2年」続く可能性があると述べた。

「新型コロナウイルス流行前の慢性的な低インフレ均衡が戻るとは思わない」とも述べた。