[パリ/ミラノ 16日 ロイター] - イタリアの元国営の通信大手テレコム・イタリア(TIM)は16日、筆頭株主である仏ビベンディのアルノー・ドプイフォンテーヌ最高経営責任者(CEO)が取締役を辞任したと発表した。新規事業の協議中だったという。

イタリアの右派新政権がテレコム・イタリアの固定電話網への支配力を強めようとしていることに抵抗するため、同社のピエトロ・ラブリオーラCEOに圧力をかけ、取締役入れ替えを通じ同社への影響力を高めようとする狙いだとの見方が出ている。

ビベンディは同日、イタリアは引き続き同社の戦略の中核だと改めて表明した。

イタリア政府はビベンディやテレコム・イタリアの第2位株主であるイタリア預託貸付公庫(CDP)との昨年の交渉が不調だったことで、今月25日に交渉を再開すると見込まれていた。ドプイフォンテーヌ氏は先月の時点では、イタリア政府が建設的な協議に向けて条件を用意しているとして謝意を表明していた。

テレコム・イタリアは昨年9月末時点で255億ユーロだった債務の削減に向けて、資産売却を模索している。ビベンディは固定電話網が適正に価値評価された場合にのみ売却策を承認すると主張してきており、提案を検討していたCDPと摩擦が生じ、売却提案が棚上げになっている。