原発処理水放出「春から夏ごろ」、政府が具体的時期示す
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トリチウムだけ含まれている処理水は科学的に安全だろうし、諸外国も海洋放出しているのは、全くその通りだと思います。
ただ、飲食業界に身を置く者としては、論点そのものが違います。海洋放出開始した後、海産物て品質が同じで福島県産と他地域産があった場合、自分は間違いなく他地域産を買います。自分は特に飲食業界において、何かあった場合の再起不能なほどの非難の嵐、クレームの嵐をみてきました。また、過去に何度か過失を犯している東京電力などを全面的に信頼しろ、というのは無理な話です。
なので、故郷とか特別な理由がない限り、自分と同じような選択をする人は多いと思われ、それは風評被害と呼ぶのかもしれません。ただ、飲食業界サイドの視点から見ればそれは、リスクマネジメントなんです。
だから風評被害するな、と叩くのではなく、はじめから風評被害ありきで対策はすべきでないかと思うわけです。個人的には。「風評被害」ではなく「政府不信」あるいは「東電不信」。
今まで原子力発電を進めるために、政府や東電(電力会社)が何を行なってきたかを思い出してみよう。「安全対策は万全である」「二重三重の対策を考えている」「万が一にもあり得ない」等々、この狭い国に54基もの原発を建設するために、あの手この手で「安全」を神話化させてきた。
ところが地震一つで、今の事態を招いている。10年以上が経った今も、福島第一原発は収束の目処も立たず、放射能は漏れ続けている。溜まりに溜まった汚染水はどう処理することもできず、当初からのタンク保管はもはや限界を超えている。
物理的にみても「海洋放出やむなし」という事態になっているのだ。であれば「安全」というほかないではないか。「トリチウムは大丈夫」と言わざるを得ない。本当に「大丈夫」だったとしても、それを発信する政府と東電を、国民にどう信じろというのだろうか。
専門家の「安全基準」ではなく、国や東電に対する不信感を払拭しない限り(それももはや不可能だろうが)、この問題の本質的な解決は、無理だ。