(ブルームバーグ): 衣料品チェーンの「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは12日、第1四半期(9-11月期)の営業利益が前年同期比2%減の1171億円だったと発表した。ブルームバーグが集計したアナリスト4人の予想平均1401億円は下回ったが、通期業績見通しの達成には自信を示した。

海外ユニクロ事業は、中国大陸が新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制の影響を受け、大幅な減益となったことに加え、ロシアが営業を停止していることで赤字となった。一方、アジア・オセアニア地区、北米、ロシアを除いた欧州は、計画を上回る大幅な増収増益となった。

岡崎健最高財務責任者(CFO)は決算会見で、中国市場について「半分とまではいかないが、かなりの減益」だったと明かした。ただ、1月に入ってからは、足元で売り上げが急回復しているという。

国内ユニクロ事業は、11月の気温が高かったことで販売に苦戦したことや、急激な円安の影響で原価率が上昇して粗利益率が低下したことで増収減益となった。一方、9月、10月は、例年よりも気温が低く推移したことで、秋冬商品の販売が好調だった。

通期計画は修正せず

同社は通期(2023年8月期)の業績予想を従来水準に据え置いた。新型コロナの影響で中国大陸の業績が流動的としながら、上期は増収増益、下期も現時点では業績予想を達成できるとした。

同社は11日、3月に国内従業員の報酬を改定すると発表した。この影響について岡崎CFOは、期初にすべてを織り込めなかったため「経費率が若干悪化するかもしれない」としたが、販管費率の改善や海外などでの販売増加で今期の業績見通しは達成可能との考えを示した。

前日の発表資料によると、世界水準での競争力と成長力を強化するため、国内の人材への投資を拡大し、従業員の年収を数%から約40%の範囲で引き上げるとした。

 

(会見の内容を加えて配信します)

More stories like this are available on bloomberg.com

©2023 Bloomberg L.P.