(ブルームバーグ): インドのタタ・グループは、同国南部にある主要な「iPhone」工場をオーナーである台湾の緯創資通(ウィストロン)から買収することで合意に近づいている。合意に至れば、iPhoneの組み立てに関わる初のインド企業となる。
ウィストロンとの交渉は数カ月にわたって行われており、タタは3月末までの買収完了を目指している。プロセスに詳しい関係者2人が明らかにした。両社はさまざまな提携形態を検討しているが、現在は合弁事業の過半数株式をタタが取得する案に絞られつつあるという。
ウィストロンの工場はバンガロールの東50キロ強の位置にある。買収が実現すれば、タタはiPhone製造ライン8本と、数千人のエンジニアを含む従業員1万人を引き継ぐことになる。ウィストロンは引き続きインド国内のiPhoneサービスパートナーを務める。
アップルの主力製品であるiPhoneの組み立ての多くはウィストロンやフォックスコン・テクノロジー・グループなど台湾企業が受託してきた。タタが同工場を取得すれば、エレクトロニクス分野で大きな地位を占める中国に挑み得る国内企業創設を目指すインドの取り組みは前進することになる。
関係者の1人によると、インド政府の奨励金を受け取れるプログラムにおけるウィストロンの立場を子会社タタ・エレクトロニクスが正式に継承できるよう、タタは3月31日までのデュー・ディリジェンス(資産査定)完了を目指している。奨励金の次のサイクルは新会計年度初日の4月1日に始まる。
関係者の1人は、ウィストロンが現会計年度の奨励金受給の条件を満たした場合はタタによる買収額は6億ドル(約790億円)強になり得ると語った。
タタの担当者はコメントを控えた。ウィストロンとアップルにコメントを求めたが返答はなかった。
原題:Tata Nears IPhone Plant Takeover to Grow Apple Supply Role(抜粋)
--取材協力:Sankalp Phartiyal、Debby Wu.
(買収計画の内容などを追加して更新します)
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