[上海 27日 ロイター] - 中国当局が厳しい入国制限を緩和したことで、数十億ドル規模の旅行ビジネスが再び盛り上がるとの期待が高まっているが、中国人観光客の回復には時間がかかりそうだ。

中国国家衛生健康委員会は26日、入国時の隔離義務を来年1月8日に解除すると発表した。

航空会社はサービスの拡大を計画しているが、一般の中国人や旅行会社は通常の状態に戻るには時間がかかると示唆している。

北京の輸出業者Tom Guo氏(43)は米国などへの海外旅行は春の終わりか夏まで待つ可能性が高いとし、1月下旬の春節前にはどこにも行かないと語った。

旅行サイト「Ctrip(携程旅行網)」のデータによると、入国規制緩和のニュースが流れてから30分で人気の高い海外旅行先の検索が10倍になった。

しかし、海外旅行がすぐに急増することはあまり見込まれていない。

フライト追跡アプリVariFlightによると、5月の労働節(メーデー)の連休までに中国本土に発着する航空便の堅実な回復が期待されているものの、その時期より前の回復は予想されていない。同社のデータによると、中国発着の国際線は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準の8%となっている。