(ブルームバーグ): 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)など3メガバンクをはじめ、銀行株が急伸している。日本銀行が20日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の運用の一部見直しを決定したのを受け、金利上昇による収益拡大期待からの買いが優勢となった。

主な株価の動きは、MUFGが一時前日比9.6%高の846.5円と2016年11月以来、約6年ぶりの日中上昇率となったほか、三井住友フィナンシャルグループが同8.9%高、みずほフィナンシャルグループも同約7%高と、日経平均株価が下落する中で急騰。りそなホールディングスや三井住友トラスト・ホールディングスも高い。

岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは、貸出業務で収益を稼いでいる銀行にとって「利ざやの改善が期待できるという思惑から資金が流入し、株価が上がっている」との見方を示した。YCC修正は「もう少し先だという見方もあったので、銀行株にとってはポジティブサプライズだ」と述べた。

川崎氏は、長期にわたる日銀の金融緩和政策を受け、停滞していた銀行株の転換点になる可能性もあるとみている。

一方で、モーニングスターのアナリスト、マイケル・マクダッド氏(東京在勤)は、預金金利が事実上ゼロである邦銀の資金調達コストは固定されており、「貸出金利が上昇した場合、それは純粋なマージンになる」と話した。ただ、銀行株の動き自体はサプライズでなく、むしろ日銀のYCC修正発表のタイミングにより驚いていると語った。

--取材協力:中道敬.

(川崎氏のコメントを追加します。日付を20日に訂正済みです)

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