2022/12/26
【忙しいあなたへ】どうすれば「学び」を継続できるのか
アビタス | NewsPicks Brand Design
学び直し、リスキリング、リカレント教育――。
いま、ビジネスシーンでは「学び」の重要性が叫ばれている。
だが、具体的に何をどう学べばいいのか。どんなメリットがあるのか。
そのヒントを探るべく、NewsPicks Brand Designは、今年12月にオンラインイベント「とにかく始められない人のための『超・学び戦略』を考える 90 分」を開催。
ひろゆき氏をはじめとしたゲストを招き、NewsPicks読者による「公開相談」と、学びの実践者による「トークセッション」の2本立てで、セッションを実施した。
多忙なビジネスパーソンに向けた、「学び」にまつわるアドバイスをお届けしよう。
INDEX
- 学びの「目的」を明確にしよう
- 周りではなく、自分の決断を信じ切ろう
- 「事業」や「キャリア」に学びを活かす
- 「逃げられない環境づくり」が効く
- 今学ぶなら、「英語」「会計」「IT」
- 日常の中に「学び」を混ぜよう
*記事構成の関係上、5名中2名の相談をピックアップしています。
学びの「目的」を明確にしよう
渡部 日々の仕事に充実感は感じつつも、目の前の業務に集中するあまり、視野が狭くなっているのではという不安があります。
業務+αの知識を学び、自分の見識を広げたいのですが、何からはじめればいいと思いますか?
ひろゆき 具体的には、どんな学びを想定されていますか?
渡部 人文学や哲学など、いわゆる「教養」の分野を学びたいと思っています。
営業職としてさまざまな方と信頼関係を構築する上で、多様な考え方を知っていることがアドバンテージになるのではないか、と。
ひろゆき つまり、「他人がどう考えるか」というのを、哲学とか人文学を学べば理解できると、勘違いしていらっしゃるということでいいですか?
人それぞれ考え方は違うので、「アリストテレスはこう考えていた」と知っていても、目の前の営業相手がどう考えるかは全く別の話ですよね。
たしかに、教養がある人としての評価は得られるかもしれませんが、それと目の前の人に信頼してもらえるかどうかは、切り分けて考えた方がいいでしょう。
目の前の人と信頼関係を作りたいのが目的なのであれば、共通の話題を見つけた方が早いと思います。たとえば、相手が休日に何をしているかを聞く、とか。
渡部 なるほど、それはそうかもしれません。
とはいえ、信頼関係を築いていくために教養が必要ある方がやはり話の引き出しも多くなるように感じるのですが、それはどうでしょうか。
ひろゆき 『ソフィーの世界』という分かりやすい哲学の本がありますけど、それはご覧になりましたか?
渡部 いえ、まだ見ていないです。
ひろゆき この本、20年くらい前にベストセラーになった名作なんですけど、本当に哲学興味がある人だったらもう読んでいると思うんですよ。
ということは、おそらく渡部さんは「リベラルアーツを学んだ自分になりたい」とは思っているけど、哲学には興味がない方なんじゃないかと思います。
教養を持つことは人によっては大切なことかもしれませんが、無理して興味がないことに時間を割くのはもったいないですよ。人生、限られているので。
なので、何かもっと興味に近い……たとえば、好きなスポーツはありますか?
渡部 野球が好きです。ドラフトや甲子園などに関する日常的に情報を追いかけていますし、休日は仲間たちとプレーしたりしています。
ひろゆき それなら、営業の場で趣味の話を振って、盛り上がらなければ「僕は毎週草野球やっているんですよ」と、自分のテリトリーで話を膨らませる。
そっちのほうが、うまくいく気がしますけどね。
渡部 なるほど、得意のフィールドで信頼関係につなげる、と。
学びの目的が少しふんわりしていたんだなと気づかされました。ありがとうございます。
周りではなく、自分の決断を信じ切ろう
手塚 私はいま大学生で、いろいろと学んでみたいことがあるのですが、周囲の目が気になって、一歩踏み出すことができません。何から始めるのがいいと思いますか?
ひろゆき 今は実家から大学に通っている感じですか?
手塚 はい、実家暮らしです。
ひろゆき だったら、バイトして100万くらい貯めると留学できるので、留学しちゃったほうがいいと思います。
日本人って、周囲の目を気にして行動する方が多数派ですよね。でも、海外に目を向けると、そういった人は少数派。
ほとんどの人は気にしないので、留学すると、周りの目が気にならなくなりますよ。
実体験として「世界のほとんどの人は、別に周りのことは気にしないんだな」と理解するのが大事です。
手塚 もともと留学はしたいと思っていて、でも自分に自信がないので「この選択で合ってるのかな?」という不安がすごく大きいです。
ひろゆき ベーシックな話ですが、自分で決めて、自分で試して結果が出るような経験が増えていくと、選択に自信が持てるようになっていきます。
とにかく、一度何でもトライしてみるのが大事です。
僕は、やったことなくてやりたくないこととかも、結構やっています。
やってみると面白いこともありますし、嫌だなと思っていて、やってみて「本当に嫌だから二度とやらない」と思ったこともあります。
僕は、大学生のときに新木場にあった2000人以上入るクラブで下着ショーに出たことがあるんですが、他人に肌を見せることが嫌いなので、めちゃめちゃ嫌でしたね。
でも、これってやってみないとわからないことだったりします。
だから、他人がどうこうではなく、自分自身で決めて、やってみる。そして、失敗も含めて自分なりの判断基準を作っていくのがいいと思います。
手塚 ありがとうございます。
まずは、気になっていた留学について、もう1回調べてみます。
その後も、続々とひろゆき氏は視聴者5名の質問に答えていった。
「事業」や「キャリア」に学びを活かす
――ここからは、学びの実践者であるお二人に、その具体論についてお聞きします。早速ですが、学びによってキャリアや仕事を好転した経験はありますでしょうか?
イベントの総合司会は、働きながら大学院に通うなど、自らも「学び」を実践する経済キャスターの瀧口友里奈氏が務めた。
ひろゆき 最近だと、Googleの販売パートナー資格の取得は、ビジネスに生きたので良かったですね。
Googleのクラウドサービス「Google Workspace」を販売代理店として企業に売るための資格で、オンラインの授業を何個か受けると、販売パートナーになれるんです。
「Google Workspace」はGmailとかGoogleドライブとか容量無制限使い放題になるサービスで、パートナーになると大体3割引で使えるようになります。
はじめは、自社で使っているから「安くなるならいいじゃん」と思って資格を取ったんですけど、今は代理店ビジネスをはじめたりもしています。
――学びが、直接的に事業の立ち上げに繋がった、と。小山さんはいかがですか。
小山 一番大きかったのは、公認会計士の勉強ですね。
僕は元々起業したいなと思っていて、公認会計士になろうと思ったのは、「スパイ活動」ができると思ったからなんですよ(笑)。
公認会計士になれば、いろんな会社の監査ができますよね。
あらゆる企業の内側、お金の流れを理解できれば、きっと起業する時に役立つだろうと思って、必死に勉強したんです。
結果的に都内で会計事務所を8年ほど経営しているので、あのときの決断は間違っていなかったと思っています。
小山あきひろ氏。
現在は、米国公認会計士(USCPA)の勉強もしています。
――米国公認会計士。日本の公認会計士とどのような違いがあるのでしょうか。
小山 アメリカでも日本でも、仕事内容はあまり大きくは異なりません。
そもそも公認会計士がどんな仕事かというと、財務諸表の信頼性を保証する仕事です。
たとえば、上場企業は四半期に1回、決算書を出しますよね。
それを見て株主や投資家たちが企業の健康状態を判断して株式の売買などを行うのですが、社内の人間だけで決算書が作れてしまうと、信頼性が低い。
なので、第三者として決算内容が正しいか否かを判断し、お墨付きを与えるのが僕たちの仕事です。これは全世界共通の業務内容だと思います。
その上で公認会計士との違いがあるとすれば、マーケットの大きさと報酬ですね。
新規上場企業数だけでも、アメリカは日本の7倍以上。円安の影響もありますが、やはりアメリカの方が報酬の基準額は高いです。
――キャリアを広げる上で米国公認会計士資格を学ばれているんですね。
はい。ただ、一番の理由は「世界に出てみたい」という純粋な思いです。
この先30年以上働き続けることを考えて、環境を変えてチャレンジしてみたい、生まれてからずっと過ごしてきた日本を離れて戦ってみたいと思ったんです。
ビザや永住権の取得を考える上でも、医師や会計士は比較的取得しやすいと伺ったので、ベストな選択だと考えています。
「逃げられない環境づくり」が効く
――学び始めることに加え、学びの「継続」にもハードルを感じる方が多いようです。お二人は何か工夫をされていますか?
ひろゆき 学び続けられるかどうかは、学び方どうこうではなく、モチベーションの問題だと思うんですよね。
勉強法をいくら変えても、モチベーションが低ければ続けようがないじゃないですか。学びは手段なので、魅力的な目標を持つこと。まずは、そこが大事だと思います。
――ひろゆきさんは小型船舶免許や総合旅行業務取扱管理者など、いろいろな資格を取得されていますよね。一つ一つ目的があったのでしょうか。
それで言うと、長く学び続けるほど難しい資格ではないので、単純に面白そうだと思って取っていますね。
小型船舶免許って、1日講習を受けるだけでよくて、更新も1年に1回。知り合いに誘われて、面白そうだし楽ならいいかなって。
総合旅行業務取扱管理者の資格は、旅行代理店を作るとホテルとか新幹線のチケットがもらえるらしい、と聞いて、「じゃあ、旅行代理店作ろうぜ!」と思い立って取りました。
――ひろゆきさんは「面白そう」という言葉をよく使われますよね。
そうですね。僕は「面白そう」という気持ちを重要視していますんで(笑)。
もちろん、「成長できそう」がエンジンになる方もいると思いますし、いずれにせよ、「心が動くか」がとても大事です。
小山さんの「米国公認会計士の資格を取ってアメリカに行こう!」というのも、アメリカで一旗挙げられるかもしれないとか、ワクワクするとか、初めはそういう動機だと思うんですよね。
小山 おっしゃる通りです。
「英語をしゃべれたらかっこいい」とか、「会計士として海外で活躍できたらかっこいい」というのはモチベーションの一つとしてあります。
何をやりたいとか、勉強をどうするか、というよりも、そういった未来にワクワクしながらどうにか学んでいる感じです。
――公認会計士の勉強は期間も必要になると思いますが、モチベーションを維持できるものでしょうか。
小山 もちろん、一つの目標に向かって毎日モチベーションを維持して無限に学び続けられるのかと言われると、それは難しいと思います。
僕の場合、公認会計士の勉強の時は「逃げられない環境」を作りました。
受験勉強をされた経験のある方は分かっていただけると思いますが、勉強を続けられるのって、そういう環境を作れるかが非常に大事で。
僕自身、公認会計士になれたのは、同志社大学に入って色々な出会いがあったから。
そして、同志社大学に入れたのは、高校受験を頑張って、大学受験で切磋琢磨できる仲間がいたからです。
目標に向かって刺激し合える仲間がいる環境だったから、逃げずに学び続けることができた。
なので、公認会計士になろうと決めてから、すぐに予備校に通い始めました。80万円くらいの大金を自腹で払って、辞めるわけにはいかんぞと。
今学ぶなら、「英語」「会計」「IT」
――新しく何かを学び始めたい方に向けて、いまゼロから学ぶとしたらどんなことをおすすめしますか?
ひろゆき やっぱり、英語じゃないですかね。英語ができると、人生の楽しめる機会が純増するんですよ。
たとえば、無料で公開されている海外の一流大学の授業も見れるようになりますし、日本語未対応の映画やゲームだって楽しめちゃいます。
当たり前ですけど、インターネット上で楽しめるコンテンツは英語の方が圧倒的に多い。
ビジネスだけではなく、趣味の領域でも英語ができると非常に幅が広がります。
――小山さんはいかがですか?
小山 そうですね……僕は、本心としては、今の時代は好きなことでお金を得られる時代だと思っているので、本当に好きなことに熱中すればいいとも思います。
ただ、変化の激しい社会で堅実に積み重ねていくために何を勉強すればいいかと問われれば、ひろゆきさんがおっしゃった英語は完全同意です。
加えて、世界共通で使える「会計」、そして「IT」の勉強をおすすめします。
会計って、全世界共通なんですよ。どこの国に行っても売上は売上で、決算も資金調達も、ほとんど同じ仕組みで回っていますし、ITも国ごとで勝手が大きく異なることは少ない。
「汎用性」という観点で、学んでおいて損はないと思います。
日常の中に「学び」を混ぜよう
――最後に、学び始めたいけど始められない人に、最初の一歩を踏み出すためのアドバイスをお願いします。
ひろゆき 「日常の中に学びを混ぜる」といいと思います。
たとえば、英語を学びたいのであれば、スマホの言語設定を英語に変えてみる。僕自身、もうしばらくiphoneの言語設定は日本語にしていません。
最初は分からない単語が出てくるので、検索して調べるんですよ。
知らなければ操作できない状況なので、机で勉強する以上に必死で覚えようとしますし、自然に単語を覚えられます。
あと、Netflixを見る時も、外国語の音声に変えていますね。
字幕を日本語にすれば意味は分かりますし、それだけでも英語の音の記憶は残るんですよ。「この言い回しはどこかで聞いたことがあるぞ」、みたいな。
小山 日常に混ぜるの、いいですね。僕からまずお伝えしたいのは、日本にいる時点で「ある程度のセーフティネットの上にいる」ということ。
今の日本であれば、何かチャレンジして失敗しても、それなりの働き先を見つけられると思うんです。
世界中を見ても挑戦しやすい環境だと思うので、まずは安心して一歩踏み出してみてほしいですね。
先ほどお話ししたように、何らかのスクールやコミュニティに属して、対価を払ったり、期限を決めたりして、同じベクトルを向いた仲間がいる場所を見つけるのもいいと思います。
一人でやるより、切磋琢磨しながら高めあえる相手がいたほうが、モチベーションも続きやすいですから。
ぜひ、楽しみながらやってみてください。
執筆:日野空斗
撮影:小池彩子、小田駿一(バナー写真)
デザイン:月森恭助
編集:高橋智香
撮影:小池彩子、小田駿一(バナー写真)
デザイン:月森恭助
編集:高橋智香
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