[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米財務省が15日に発表した10月の対米証券投資統計によると、海外勢の米国債保有額は7兆1850億ドルと、前月の7兆2960億ドルから2カ月連続で減少し、2021年5月以来の低水準に落ち込んだ。金利が上昇する中、投資家が米国債を売却した。

昨年5月の海外勢保有額は7兆1440億ドルだった。

TDセキュリティーズ(ニューヨーク)のシニア金利ストラテジスト、ゲンナディー・ゴールドバーグ氏は「ドル高と米国債フロントエンド金利上昇により、外国人投資家が米国債保有をヘッジする費用が高くなっている。世界の金利が上がったので外国人投資家は米国債を買う代わりに自国市場で買っている」と述べた。

保有額の減少は日本が主導。日本の米国債保有額は1兆0780億ドルで、前月の1兆1200億ドルから減少した。海外の保有国としては依然最大だが、4カ月連続で減らしている。日本は軟調な円を守るために米国債を売却した。

2位の中国の保有額も9月の9336億ドルから9090億ドルに減少した。8437億ドルだった10年5月以来の低水準となった。

円と同様、中国の人民元もドルに対して圧力を受けており、アナリストによると、中国人民銀行(中央銀行)も通貨を支えるために米国債を売却した可能性がある。

取引ベースで見ると、海外勢は10月に米国債を619億0700万ドル買い越した。前月は604億ドルの買い越しだった。

その他の資産クラスでは、10月の米国株を巡る資金流出額は243億ドル。外国人投資家は10週連続で株式を売り越している。