地銀「貯蓄から投資」に力

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• 長澤 敏夫

  株式会社　日本資産運用基盤グループ - 主任研究員 主任研究員

  ・2022年12月09日

  地銀が「貯蓄から投資」に向け、アドバイスの強化や金融リテラシー向上に資するセミナーを増やすなどの取組みに注力しているとのこと。足下金融審議会の「顧客本位タスクフォース」では、金融商品を販売しないなどの一定の条件を満たすアドバイザーにお墨付きを与え、金融商品・サービスについてのアドバイス、金融経済教育の提供、限定的な投資助言を行うことを認めることが議論されています。こうしたアドバイザーを育てることで、一般生活者が気軽にアドバイスを受けられる環境が整い、資産形成の裾野が広がることは大いに歓迎すべきことと思います。
  　しかし、だからと言って、地銀などの販売会社に所属するアドバイザーの役割の重要性が低下することはないと思われます。むしろ、資産運用の裾野の拡がりに伴い、資産形成層、退職者層、富裕層など世代や保有資産の多寡等を問わず、老後資金や資産承継に不安を抱いている人が多い中、こうした顧客の潜在的なニーズに対するアドバイスの重要性は増々高まり、一定に棲み分けをしつつも資産運用アドバイスが広く浸透していくのではないでしょうか。