【日本発】世界が注目する「CO2を出さない」火力発電
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「発電の常識を変えてみせる」――ONE OK ROCKの楽曲とともに流れるこのCMコピーを、最近特にテレビで見かけるようになりました。発信主は、日本の電気の約3割をつくる日本最大の発電会社・JERAです。
火力発電といえば安定供給を担う一方で、CO2排出量が多く、脱炭素の文脈で批判が集まりやすい存在。そんな中、JERAはアンモニアや水素の活用を通して、「CO2の出ない火力発電」を実現すると掲げています。
では、一体どうやって?今回は、JERA副社長の奥田氏とその実証が行われている愛知県の碧南火力発電所に話を聞きました。比較するものではないですが、今年の取材のなかでもとりわけ驚きとワクワクが大きかったです。
詳しくはぜひ本文をご覧いただければと思いますが、個人的には実際に発電所に行き、
・実地に行ってわかる設備の「大きさ」、特に石炭が積み上げられた山のスケール感
・石炭を運ぶベルトコンベアの長さ。実際に話を聞くまでは、車などで運んでいると思っていました
・発電所のなかに釣り場があったこと。温排水の影響で排水口付近は水があたたかく、魚が釣れるらしい
・(長年稼働しているにも関わらず)排ガスを処理する設備の外観がオフホワイトで、ほとんど黒くなっていなかったこと
・巨大な発電設備と比較して、アンモニアを混焼するために改変が必要な部分の(いい意味での)小ささ。
本文に詳しいですが、発電所を新設するよりも少ないコストで混焼が実現できそうだ、と感じました
など、実際に現地に行ってみないとわからない、いろいろな発見がありました。まさに百聞は一見にしかずですが、内容が伝わるように写真を多めに使って、記事を構成しました。ご一読いただければ嬉しいです。知らなかった。非常に面白い。ですが、、そのアンモニア製造工程においてメタンの燃焼や、アンモニア製造法であるハーバー・ボッシュ法における高温高圧環境をつくるためのCO2の発生があるため、トータルCO2発生抑制としては火力一本足打法よりはマシというのが現実のところなのではないか。また当然アンモニア製造工程においてエネルギーが必要な訳で。。そのエネルギー製造が火力発電で、かつアンモニア製造効率が低ければ、結局Co2排出量も増え発電コストも上がり、本末転倒です。
EV礼賛論調に対して豊田章夫さんが反論していた構図があるようにも思います。ただ、現時点で火力発電の発電単価の1.2倍で済むというのはこれまでの他の方法よりはコスト的には割安ではあるかと思いますので惜しいところまで行っているのかもしれませんね。
つまるところ、アンモニア製造のエネルギーコスト(効率)が、火力発電のエネルギー効率を上回るかどうかが、重要な論点なのではないでしょうか。
「低温・低圧下でハーバー・ボッシュ法を可能にする触媒の開発」というのが技術課題と挙げられていますが、まさにそのあたりのブレイクスルーが鍵を握るのでしょう。
資源エネルギー庁によるアンモニア燃料の可能性についての記事
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/html/3-8-4.html既存の施設の改修で対応出来るというのは魅力的ですが、他の方もおっしゃっているように、アンモニアと水素の製造過程での排出や、日本の場合資源を運搬してくるので、そこの過程でのCO2コストなども含めると、本当にこの青写真通りの将来的なCO2排出ゼロになるのかと観点で、第三者の記事もぜひ読みたいと思います。