[北京 7日 ロイター] - 中国の国家衛生健康委員会は7日、新型コロナウイルスの無症状感染者や症状の軽い感染者について、自宅での隔離を認める方針を発表した。当局が新型コロナと共存するための準備を進めていることが示された。

感染者の大半は無症状か軽症で、特別な治療は必要としていないと指摘。「無症状や軽症の感染者は自宅での隔離が可能だ。症状が悪化した場合には、治療のため速やかに指定した病院に搬送される」とした。

また国内で移動する際の検査義務を廃止する。

隔離の手続き変更は、ウイルス変異の特徴に応じた予防と管理方法の調整を反映したと説明した。感染者の自宅隔離はルールの重要な変更点となる。

中国では感染者が1人出ただけで地域全体でロックダウン(都市封鎖)が実施されていたが、先月打ち出した新たな隔離方針では、感染者の出た建物のみの封鎖に限定した。

国家衛生健康委は、危険度の高い地域を指定する際には建物やフロア、世帯ごとに正確に行い、住宅地やコミュニティ全体に恣意的に拡大してはならないと指摘した。

新型コロナ流行を予防するために「単純化や一律化された」手段を取ったり、追加措置を行ったりすることを断固として改め「形式主義や官僚主義」を否定し克服するよう地方自治体に促した。

「ゼロコロナ」政策については言及していないが、新たな対策とガイドラインを実施する際には、直近の感染抑制のための手続きに従うべきとした。

6月下旬に発表された最新版の手続きでは、海外からのウイルス流入を防ぎ、国内の流行を抑えながら、感染が確認された場合は「動的に」ゼロにすることを基本としている。

今回発表された措置の多くは、抗議活動後に国内のさまざまな地域ですでに導入されているが、市民、投資家、外国企業からは歓迎の声が上がっている。

ただ、国家衛生健康委員会の報道官は会見で、旅行に関する措置の変更は「段階的に」行うとコメントした。

今回の措置は低迷する中国経済と通貨人民元を支援し、世界経済の成長を後押しする可能性があるとアナリストは評価している。

上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は、「今回の政策変更は大きな前進だ。中国は2023年半ばまでに国境を完全に開放すると予想している」と述べた。

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