出産で収入6割減「母の罰」 育児の担い手、父も社会も
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子を産んだ女性の所得が減る現象が、「母の罰」と呼ばれるそうです。そりゃ少子化になりますよね・・
そもそもヒトという動物の子は少人数での育児に向いていません。他の哺乳類と比較すると、生後自分の力で危機回避も食糧へのアクセスもできず脳の発達に15-20年もかかるという脆弱性の高い性質を持っているからです。それによってここまで脳が発達したというメリットもありますが、人類が育児の脆弱性を乗り越えて発展できたのは集団生活による育児が前提となっていたためです。その点を考えると、「母の罰」と言われるように母親や一部の人にだけ育児の負担が大きくなるのは、生物としての性質と現代の社会環境に大きなギャップがあると言えます。ヒトの育児は集団で補完する性質のものという前提に立って、政策に反映してほしいと思います。出産や育児で仕事を辞める女性が増えて労働人口がその世代だけ下がってしまうM字カーブは確かに軽減していますが、子育てによるキャリアの断絶は未だ解消されていません。女性の管理職が増えない理由も30代後半から40代の女性が、子育てと更年期のダブルパンチで、なんとか働いてはいるがキャリアは諦めざるを得ない、ということが原因なのではないかと個人的には感じています。
またこの記事にもあるように、その対策として、給付金を増やしたりする、単なる資金の支援、有益ではありません。なぜなら、世界的にみても、日本の育休制度は非常に優れており、手厚いにもかかわらず、男女の賃金格差や女性管理職比率は世界に非常に遅れをとっているからです。本質的な課題解決は、いかに子育ての女性の負荷を下げ、キャリアを築き上げられる企業環境を整えるか、であるはずです。そうした施策の実現を企業単位でもよいので推進していきたいと感じています。