[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のカンリフ副総裁は21日、米暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXの破綻は、暗号資産業界を規制の枠内に組み込む必要性を示しているとの見解を示した。

FTXは米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請して経営破綻し、上位債権者50人が計31億ドル近い債務を抱えている。

カンリフ氏は英ウォーリック大ビジネススクールのイベントで「昨年の暗号資産の厳冬期や、先週のFTXの破綻で示されたように現在の暗号資産業界は金融システムの安定を脅かすほど大きくなく、主流の金融とつながっていない。だが、金融の主流とのつながりは急速に進展している」とし、FTXの破綻は規制当局ができる限り早く、より厳しい規制を導入する必要性を浮き彫りにしたと指摘。

その上で「暗号資産の衝撃を防ぐために必要な規制の枠組みの整備を暗号資産業界が広がり、(主流の金融と)つながり、より大きな不安定化をもたらしてしまうまで待つべきではない」と訴えた。

カンリフ氏は英中銀がステーブルコイン(法定通貨を裏付け資産とする仮想通貨)の規則をより詳細に具体化するため、公的な議論を始める予定だと説明した。