[オタワ 9日 ロイター] - カナダのジョリー外相は9日、同国の新たなインド太平洋戦略を近く発表すると述べた。人権問題で中国をけん制するとともに、気候変動その他共通の目標に関しては協力を目指す。インド太平洋地域の公式訪問を前にトロントで述べた。

同相は、カナダは国家安全保障と経済・環境目標達成においてインド太平洋諸国との関係は不可欠と考えていると説明。中国は「一段と破壊的な世界大国」となっており、1カ月以内に発表するインド太平洋戦略の中心に置く必要があると述べた。

2018年に中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)の孟晩舟氏が拘束されたのに続き、カナダ人二人がスパイ容疑で拘束されたことから、カナダと中国の関係は悪化。3人が昨年解放されて緊張は緩和したが、なお溝がある。

中国外務省の趙立堅報道官は定例会見で「カナダ側の発言は事実に反している。イデオロギー的な偏見に満ちており、臆面もなく中国の内政に干渉している」と批判した。

「カナダがどのような地域戦略を提案するにしても、指針とすべきなのは相互利益とウィンウィンだ。ゼロサムゲームや保守的な冷戦のゼロサム思考ではない」と述べた。