パートの厚生年金加入、企業の規模要件を撤廃 政府検討
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5年に一度行われる年金財政再計算。次回は2024年に予定されています。
年金が現役世代の5割を下回る見通しになったら制度を根本から見直す規定があるので、当局はそうならないよう必死です。1999年の再計算は経済成長率、賃金上昇率等で極めて怪しい強気の数字を置いて逃れましたけど、この5年で“誤魔化し”が明らかになって、次回はそうした“手口”が使えません。
GPIFが運用する僅かな積み立てがあるとはいえ日本の年金は担い手から受け取った保険料を右から左に高齢者に流す制度で、支払いが増えたら担い手を増やし企業の拠出を増やして保険料を確保するほかありません。だから当局は次の再計算を前に厚生年金の加入者を増やして国民年金の加入者、保険料を払わぬ第3号被保険者を減らすべく努めているのです。
「パートやアルバイトらの短時間労働者が厚生年金や健康保険に入れる要件を“緩和する”」というと、入れない人達が入れるよう配慮する温かい措置に見えますが、狙いは目先の保険料の確保です。「手厚い給付を受ける労働者を増やし」というのは制度変更を受け入れさせるための付け足しで、新たな加入者が年金を受け取る頃には支給額そのものが見直され、たぶん元の木阿弥に戻っているでしょう。( 一一)社会保険の適用拡大は、実質的に中小企業に対する増税と同じだと思います。
保険料の半分は会社負担で、さらに税金も投入されているため、「労働者にとっては加入できた方が得ですよ」と宣伝されますが、実質的には企業負担が増えれば労働者の給与が上がらないことにつながります。
若い労働者にとっては保険料を納めても自分では使わず、高齢者の医療保険と年金に回るだけですので、実質は現役世代の稼いだ給与を高齢者に移転することが目的の政策だと思います。事業者側にも影響が大きいですね。最近は原材料の高騰が話題になりますが、賃金関連も着実に高まっています。高い粗利で販売して時間も減らす。中小企業でもより優先順位が高まります。