(最終段落の市中流通額を市中発行額に訂正します)

[東京 2日 ロイター] - 日銀が2日発表した10月31日時点の銘柄別の保有国債残高によると、10年368回債の保有額は3兆1141億円だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介・債券アナリストの推計では、市中発行額に対する比率は108.6%となる。

比率が100%超になるのはきわめて異例。10年物金利を0.25%で抑えるため、日銀が積極的に国債を買い入れる中、流動性の低下を改めて示すものとなった。

鶴田氏によると、日銀が市場参加者に国債を一時的に供給する「国債補完供給制度」で368回債が市中に戻った際、補完供給を受けたのとは別の参加者に368回債が渡り、その参加者が日銀の国債買い入れに応じれば、日銀の保有額が市中発行額(訂正)を上回る可能性があるという。 

(和田崇彦)