[東京 27日 ロイター] - 東芝の経営再建をめぐって優先交渉権を得た日本産業パートナーズ(JIP)連合が、出資を要請した企業からの資金集めに難航していることが分かった。JIPは買収資金を企業の出資と金融機関からの融資で賄う予定だが、資本性資金が十分に確保できていない中で、金融機関の融資判断にもなお時間がかかる見通しだ。事情を知る複数の関係者が27日までに明らかにした。

東芝はJIP陣営に対し、銀行が融資する意思を示したことを証明する「コミットメントレター」を11月7日までに提出するよう要請していた。JIPは複数の企業に出資を打診。並行して銀行と融資協議を進めている。

しかし、複数の関係者は、十分な出資が確保できる見通しが立っていない現状では、融資を決めることはできず「もう少し時間がかかる」と指摘する。JIPは25日に銀行団と協議を行っている。

買収後の運転資金なども含む総額は2兆円後半で、出資部分については1兆円以上が必要とみられている。

JIPからのコメントは得られていない。東芝は「公正なプロセス運営を損なう懸念があるため、共同投資家を含む候補者に関する情報については、原則として回答できない」としている。

JIPは、複数の企業に参画を打診。関係者によるとオリックスが参加する方針を固めた。このほか、中部電力や日本生命などにも出資を打診している。